「できれば杖なし・歩行器なしで、もう一度自分の足で歩きたい」
膝を痛めてから外に出るのが怖くなった。歩く距離が短くなった。近所のスーパーへ行くだけでも、何度も休むようになった。それでも、家の周りや買い物くらいは自分で歩きたい。そう思っている高齢者の方やご家族は多いと思います。
この記事では、高齢者が杖なし・歩行器なしで歩ける可能性を考えるときに大切な「歩き方」と「体の使い方」を、実際の体験とともに紹介します。
高齢者が杖なし・歩行器なしで歩ける可能性はある?
体の状態や必要な支えは一人ひとり違います。ただ、体の使い方や歩き方を見直したことで、以前より歩きやすくなったと感じる方はいます。

外に出るのが怖かった方が、スーパーまで歩けるようになった話
「普通に歩けるようになるなんて、自分でも信じられません」
膝を痛めてから約2年間、痛みの再発が怖くて外出できなかった方がいます。
「少し歩くだけでも怖くて、外に出る機会がほとんどない状態でした。近所のスーパーに行くのも、30分以上かけて休み休み行くような状態で」
体の使い方を見直したあと、ご本人から次のような感想を聞きました。
「短い距離なら歩けるようになりました。今では近所のスーパーも5分で行けるようになり、自分でも信じられない変化です」
変化の感じ方は人によって違います。ある方は、歩くときの膝の痛みが和らぎ、「前より疲れずに歩ける距離が伸びた」と話していました。別の方は、階段の上り下りが楽になり、息切れも前ほど気にならなくなったそうです。
いずれもご本人から聞いた体験を紹介したもので、同じ結果を保証するものではありません。痛みや息切れが続く場合は、運動で何とかしようとせず、まず医療機関へ相談してください。
歩くときの体の使い方を、整体の視点で考える
ここからは、整体の観点から見た個人的な推察です。医学的な診断や治療効果を説明するものではありません。
歩くときは、右足から左足へ、左足から右足へと体重を移しながら進みます。体が大きく左右に揺れたり、膝や腰だけで踏ん張ったりすると、数歩でも「よいしょ」と力が入りやすくなります。
歩くときに上半身が前後左右へ大きく傾いたり、膝や腰だけで踏ん張ったりすると、一部に力が集まりやすくなります。反対に、足・膝・股関節・上半身を一緒に使えると、全身で体を支えながら一歩を出しやすくなります。
- 片方の足から反対の足へ、体重を移しやすくなる
- 膝や腰だけで踏ん張らず、全身を使いやすくなる
- 上半身に力が入りすぎず、最初の一歩を出しやすくなる
イス軸法で軸ができると、体の正しい使い方がしやすくなる、と考えています。その結果として歩くときの感覚が変わる方がいるのではないか、というのが整体の観点から見た私の推察です。感じ方には個人差があります。
イス軸法の基本的な流れ

イス軸法の基本的な流れは次の3つです。細かなポイントは、やり方の解説ページをご覧ください。
- イスに座ってリラックス
- お辞儀をしながら腰を浮かせる
- ゆっくり起き上がる
始める前に、ここだけは確認してください
杖や歩行器を外して歩くことを目標にするなら、今の体の状態に合わせて段階を踏むことが大切です。普段使っている補助具をいきなり外して試すのではなく、支えがある状態から体の使い方を確認していきます。
- 普段使っている杖や歩行器を、確認のために外さないでください。
- キャスターのない安定した椅子を、滑りにくい平らな床に置いて行います。
- 立ち上がりや歩行に不安がある方は、一人で試さず、家族や支援者に見守ってもらってください。
- 強い痛みやしびれ、ふらつき、めまい、息切れ、急な筋力低下や歩きにくさがある場合は行わず、医療機関へ相談してください。
- 動作中に痛みやふらつきが出たら、その場で中止してください。
イス軸法は、診断・治療・リハビリの代わりになるものではありません。参加に不安がある場合は、事前にご相談ください。
自分に合う形でイス軸法を体験したい方へ
東京で、まず基本の動きを体験したい方
東京でイス軸法の体験会を行っています。基本の動きを一緒に行い、立ちやすさなどの感覚を確かめるグループ形式の会です。
日程が合わない方・個別に相談したい方
体験会の日程が合わない方や、ご自身の歩行の特徴を確認しながら個別にアドバイスを受けたい方には、対面のパーソナルレッスンがあります。歩き方を診断する医療サービスではなく、日常動作での体の使い方を一緒に確認するレッスンです。
東京へ来られない方
オンラインのパーソナルレッスンも行っています。ご自宅から参加できますが、画面越しでは安全確認に限界があります。立ち上がりに不安がある方や転倒の心配がある方は、ご家族などに見守ってもらうか、医療・介護の専門職への相談を優先してください。

