階段を降りるとき、長く歩いたあと、イスから立ち上がるときなどに、膝の痛みを感じることがあります。歩き方や体の使い方を見直すと負担の感じ方が変わる場合はありますが、膝痛の原因は一つではありません。
変形性膝関節症、半月板や靱帯の損傷、炎症などが関係することもあります。イス軸法は、膝の病気や損傷を治す方法ではありません。痛みが続く場合は原因を確認し、治療やリハビリを優先してください。
この記事では、イス軸法を続けて歩きやすさの変化を感じた方の事例と、膝が痛い方が動きを確認するときの注意点を紹介します。
膝の痛みは、歩き方だけで判断できない
日本整形外科学会によると、変形性膝関節症では、立ち上がりや歩き始めに痛む、階段の上り下りが難しくなる、膝に水がたまるといった症状がみられます。診断には問診や診察、必要に応じて画像検査などが行われます。
膝が腫れている、熱を持っている、体重をかけられない、安静にしていても痛む、けがのあとから強く痛む場合は、運動で様子を見ずに整形外科へ相談してください。
治療では、運動や生活上の工夫を組み合わせることがある
膝の状態に応じて、薬、装具、運動器リハビリテーションなどが選ばれます。変形性膝関節症では、太ももの筋肉を鍛えることや、関節の動く範囲を保つ運動が行われることもあります。
どの運動が合うかは、痛みの原因と程度によって異なります。膝を無理に曲げたり、痛みを我慢して歩いたりせず、医師や理学療法士から指示を受けている場合はその内容を優先してください。
イス軸法を続けて、歩きやすさが変わったと感じた事例
58歳の佐々木さん(仮名)は、ハイキングが趣味でしたが、長い下り坂から始まった膝の痛みが、普段の歩行や階段でも気になるようになりました。整形外科では初期の変形性膝関節症と診断され、治療や運動療法を続けていました。
「膝の痛みが続き、好きだった山歩きを諦めようかと思っていました。平地を歩くときにも不安がありました」
佐々木さんは、それまでの治療や運動を続けながら、立ち上がり方や全身の力みを確認するためにイス軸法を取り入れました。
「続けるうちに、階段や平地を歩くときの痛みが以前より気にならない日が増えました。3か月後には、無理のない2時間ほどのコースで山歩きを再開できました」
これは佐々木さん個人の体験です。イス軸法によって変形性膝関節症が治ったことや、誰でも同じ期間で山歩きへ戻れることを示すものではありません。治療、運動量、体重、症状の程度などによって経過は異なります。
ほかの事例は、高齢者の方向けの記事一覧で紹介しています。
体の使い方を確認するときのポイント
膝だけを動かそうとするのではなく、イスからの立ち上がりや歩き始めで、足裏、股関節、上体がどのように動いているかを確認します。イス軸法は、その前後で立ちやすさや力み方を比べる方法の一つです。
「体の軸が整えば荷重が均等になる」「膝まわりの筋肉が最適化される」とまでは確認できません。本人が感じる動きやすさの変化と、医学的な治療効果は分けて考えてください。
膝が痛い方がイス軸法を試すときの注意点
イス軸法の基本は、イスに座った状態から立ち上がる短い動きです。
- 安定したイスに浅く腰掛け、足裏を床につける
- 上体を前へ傾けながら、お尻を少し浮かせる
- 勢いをつけず、痛みのない範囲で立ち上がる
立ち上がりで膝の痛みが増す場合は行わないでください。手すりや人の支えが必要な方は、一人で試さないでください。治療中、手術後、注射後などで運動の制限がある場合は、主治医やリハビリ担当者に確認します。
詳しい動きは、イス軸法のやり方で確認できます。
変化を確認するときも、痛みを試さない
イス軸法の前後を比べる場合は、もともと痛みなくできる立ち上がりや短い歩行で確認します。階段、深いスクワット、長距離歩行など、膝に痛みが出る動作を効果確認のために繰り返す必要はありません。
一時的に動きやすく感じても、その日の運動量を急に増やさず、数時間後や翌日の腫れ・痛みも確認してください。症状が増えた場合は中止し、医療機関へ相談します。
体験会で行うこと
イス軸法体験会では、膝痛の診断や治療は行いません。安全に立ち上がれる方を対象に、イス軸法の前後で立ちやすさや歩き始めの感覚を確認します。
膝の治療中の方は、参加前に主治医へ確認し、禁止されている動作や運動の範囲をお知らせください。痛みがある場合は、体験会より受診やリハビリを優先してください。
\ 膝を無理に試さず、立ち上がり方から確認します /

