警備会社の高齢化対策|イス軸法を職員研修に取り入れる方法 | 体軸の教室

警備会社の高齢化対策|イス軸法を職員研修に取り入れる方法

施設・会社・団体向け

長時間の立哨や巡回、交通誘導では、同じ姿勢を続けたあとに、すぐ歩き出したり方向を変えたりする場面があります。

警備員が年齢を重ねても働き続けるためには、休憩、人員配置、暑さ対策、靴や現場環境の見直しに加えて、自分の体を動かしやすい状態にしておくことも大切です。

イス軸法は、イスから立ち上がる短い動作で体軸を作る方法です。職員研修に取り入れることで、立つ、歩く、方向を変えるといった警備業務に近い動きを、体軸を作る前と後で比べられます。

警備会社で高齢化対策が必要になっている

警備業界では、高齢の警備員が大きな役割を担っています。

全国警備業協会が公開している「高齢者の活用に向けたガイドライン」では、令和4年時点で60歳以上の警備員が46.1%を占めています。

また、警察庁によると、令和6年末時点の警備員数は全国で58万7,848人です。施設警備、交通誘導、雑踏警備、機械警備など社会のさまざまな場所を支えており、警備業への需要も増えています。

若い人を採用することだけでなく、今いる従業員が年齢を重ねても働きやすい環境を作ることは、警備会社の経営にとって重要な課題です。

警備業務で体の使い方が重要になる場面

警備の仕事は、ただ長時間立っているだけではありません。

  • 立哨を続けたあとに歩き出す
  • 交通誘導で腕を動かしながら方向を変える
  • 巡回で長い距離や階段を歩く
  • イベント会場で人や周囲の動きに合わせる
  • 緊急時に止まった状態から動き出す

同じ姿勢を続ける場面と、とっさに動く場面の両方があります。力を入れて立ち続ければよいわけでも、筋力だけを鍛えればよいわけでもありません。

警備業務で体の使い方が重要になる場面

体軸ができると、体の正しい使い方がしやすくなります。まず自分の体がどう動いているかを知り、余計な力を使わずに動ける状態を作ることが、イス軸法研修の目的です。

シニアの警備員が職員研修を受ける

イス軸法の基本動作は次の3つです。

  1. イスに座ってリラックス
  2. お辞儀をしながら腰を浮かせる
  3. ゆっくり起き上がる

イス軸法の詳しいやり方はこちら

職員研修では、やり方を覚えるだけで終わりません。イス軸法の前後で同じ動きを行い、自分の体の変化を確認します。

シニアの警備員が職員研修を受ける

研修で確認しやすい動き

警備業務 研修で確認する動き
交通誘導 立った状態から一歩踏み出す、方向を変える
施設警備・立哨 立つ姿勢、長く立ったあとの歩き出し
巡回警備 歩く、止まる、階段を上り下りする
イベント警備 周囲を見ながら体の向きを変える
機械警備・緊急対応 イスや立位から動き始める

研修では、業務に近い動きを実際に行い、本人が動きやすさを比べます。

従業員の健康支援は、経営課題にもつながっている

従業員が自分で体軸を作る方法を身につけ、仕事中の体の負担を減らしやすくなることは、働きやすい職場づくりにつながります。その積み重ねが、定着、採用、安全対策、業務品質などに良い影響を与える可能性があります。

離職や採用・教育コスト

立ち仕事や巡回時の負担を減らしやすくなれば、体力面の不安だけを理由に仕事を続けられなくなる人を減らせる可能性があります。

従業員が長く働ければ、欠員を補うための採用や、新任教育を繰り返す負担の抑制にもつながります。

労災や安全対策

転倒や腰痛などの労働災害は、床面、靴、休憩、人員配置、作業時間、暑さなど、さまざまな要因が重なって起こります。

イス軸法だけですべてを防げるわけではありませんが、従業員自身が体の状態を確認し、動きやすい状態を作ることは、会社が行う安全対策の一つとして取り入れられます。

求人で伝えられる健康支援

職員向けに体の使い方を学ぶ研修を行っていることは、従業員の健康を大切にしている会社として求人時にも伝えられます。

応募数や採用単価が必ず変わるわけではありませんが、給与や勤務地以外の働きやすさを示す材料になります。

業務品質と顧客からの印象

立哨時の姿勢や巡回時の動きは、利用者や契約先から見える部分です。

従業員が落ち着いて立ち、必要なときに動きやすい状態を保てれば、警備員の印象や業務品質にもつながります。それが顧客満足や契約継続に影響する可能性もあります。

高齢従業員が経験を生かせる環境

警備の仕事では、現場経験、周囲への注意、状況判断も重要です。

年齢だけで一律に判断するのではなく、長く働いてきた従業員が経験を生かせるよう、体の使い方と職場環境の両方から支えることが大切です。

導入後は、変化を社内で確認する

研修を一度行って終わりにせず、社内で変化を確認すると導入の意味が分かりやすくなります。

研修当日に確認すること

  • 立ちやすさ、歩き出しやすさ
  • 方向転換のしやすさ
  • 巡回や階段に近い動きの感覚
  • 参加者が自分で再現できるか

継続後に確認すること

  • 勤務前や休憩時に実践している人の割合
  • 立哨や巡回後の体の負担についての社内アンケート
  • 体の不安に関する相談や欠勤の変化
  • 転倒などのヒヤリハット

長期的に確認すること

  • 休職や離職の傾向
  • 採用後の定着状況
  • 求人応募者からの反応
  • 顧客や現場責任者からの評価

離職率、労災件数、応募数、採用単価、契約更新率などは、勤務体制や現場環境、待遇、管理方法にも左右されます。イス軸法だけの成果と決めつけず、導入前後の数値を見ながら判断します。

休憩や現場環境の見直しと一緒に行う

長時間の立哨や屋外の交通誘導では、体の使い方だけでなく、休憩、交代、人員配置、暑さや寒さへの対策、靴、床面なども重要です。

イス軸法研修は、これらの安全対策に置き換わるものではありません。会社側が働く環境を整え、従業員側も自分の体を動かしやすい状態にする。その両方を組み合わせます。

イスから立ち上がる動きで痛みが出る方は、イス軸法を行わないでください。痛みが出なくなるまでは治療を優先してください。

警備会社への導入の流れ

  1. 経営者・管理職がイス軸法を体験する
  2. 警備業務や従業員の年齢構成、人数、研修の目的を確認する
  3. 立哨、巡回、交通誘導など、業務に合わせた確認動作を決める
  4. 職員研修を実施する
  5. 必要に応じて継続状況を確認する

経営者や管理職の方が先に体験したい場合は、グループレッスンで承ります。お申し込み時に「警備会社向けの体験を希望」とお書き添えください。

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参考資料

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