理学療法士・整体師・鍼灸師など、身体を扱う仕事の人にイス軸法を体験してほしい理由 | 体軸の教室

理学療法士・整体師・鍼灸師など、身体を扱う仕事の人にイス軸法を体験してほしい理由

患者さんの姿勢を確認する施術者のイラスト

イス軸法の体験会やレッスンをしていると、整体師や理学療法士など、身体を扱う仕事の方が来られることもあります。

そうした方に体験してもらうと、一般の方とは少し違う反応が返ってくることがあります。「患者さんを支えるのが楽ですね」「さっきより力まなくても施術できます」「同じ手技なのに感覚が違いますね」といった言葉です。

感じ方には個人差がありますが、身体を仕事にしている方だからこそ、自分の身体の使い方の違いにすぐ気づかれることがあります。

実際、イス軸法のインストラクターにも、理学療法士や整体師、鍼灸師など、身体を専門的に扱う人がいます。すでに身体について学んでいる人が、なぜイス軸法に興味を持つのか。今回はその理由を、施術する側の身体という視点から紹介します。

患者さんの身体を支えるのが楽になることがある

理学療法士や整体師、柔道整復師などの仕事では、患者さんの身体を支える場面が多くあります。例えば、

  • 立ち上がりを支える
  • 移乗を介助する
  • 歩行を支える
  • ベッド上で身体を動かす
  • 施術中に身体を保持する
  • 押す、引く、体重を受ける

といった動作です。

こうした動きをしているとき、自分では自然にやっているつもりでも、腕だけで頑張っていたり、腰で踏ん張っていたり、肩に力が入っていたり、片側に体重が偏っていたりすることがあります。

イス軸法をした前後で同じ動作を比べると、「さっきより支えやすい」「余計に踏ん張らなくてもできる」「力を使っている感じが少ない」と感じる方がいます。

筋力が急に増えるというより、身体全体を使いやすくなることで、必要以上に力で頑張らなくても動作しやすくなる、という感覚に近いです。身体を使って人を支える仕事ほど、この違いは体験しやすいと思います。

「力を抜こう」としても、なかなか力は抜けない

施術や介助をしていて、「もっと力を抜いた方がいい」と言われたことがある方もいると思います。

ただ、力を抜こうとしても、意外と簡単には抜けません。その人の身体にとっては、必要だから入っている力という場合があるからです。無理に脱力しようとすると、逆に不安定になったり、やりにくくなったりすることもあります。

そのため、力を抜くことを直接目指すより、余計な力を使わなくても安定して動ける身体に近づけるほうが自然なことがあります。すると、「こんなに力を入れなくても大丈夫なんだ」という感覚になることがあります。

仕事によって、違いが出やすい場面は変わります

同じ「身体を扱う仕事」でも、何をしているときに違いが分かりやすいかは変わります。

理学療法士がイス軸法を体験すると?

リハビリ室で理学療法士が患者さんの立ち上がりを横から介助している様子

理学療法士の仕事では、立ち上がりや移乗、歩行、バランス練習など、患者さんの動作を支える場面が続きます。介助の方法そのものは専門的に学んでいても、それを行っている自分の身体の状態まで毎回同じとは限りません。疲れている日や、患者さんを連続して担当したあとは、気づかないうちに腕の力や腰の踏ん張りに頼りやすくなります。

イス軸法のあとに同じ介助をしてみると、「さっきより支えやすい」「楽に相手を支えられる」「腰に負担がこない」と感じる方がいます。介助のやり方は変えていないのに、それを行っている自分の身体が変わることで、同じ動作の感じ方が変わることがあります。

→ 理学療法士にイス軸法を体験してほしい理由|介助する自分を一度、動作分析してみる

介護士・介護職がイス軸法を体験すると?

介護施設の居室で、介護士が利用者さんのベッドから車いすへの移乗を介助している様子

介護の仕事では、移乗や立ち上がり、排泄、入浴、ベッド上での介助など、人を支える場面が1日に何度もあります。ボディメカニクスを学んでいても、急いでいるときや人手が足りないときに、毎回その通りに身体を使えるとは限りません。夜勤明けや介助が続いたあとほど、いつもの身体の使い方が出やすくなります。

イス軸法のあとに同じ介助をしてみると、「いつもより踏ん張らなくていい」「相手と一緒に動ける感じがする」「腰に負担がこない」と話す方がいます。介助の手順は同じでも、支えている側の身体が変わると、力の入り方が変わってくることがあります。

→ 介護士・介護職の方にイス軸法を体験してほしい理由|移乗・立ち上がり介助と身体の使い方

作業療法士がイス軸法を体験すると?

作業療法室で、作業療法士が対象者の身体を片手で支えながら、もう片方の手で手元の作業を手伝っている様子

作業療法士の仕事では、片手で対象者を支えながら、もう片方の手で動きを助ける場面がよくあります。大きな力を出す場面は多くありませんが、支えながら手を使う、座ったまま長く作業に付き合う、といった身体の使い方が続きます。

イス軸法のあとに同じ場面をやってみると、「支えている側の手がいつもより楽」「細かい手の操作がしやすい」と感じる方がいます。支える力と手を使う余裕は別のものに見えて、どちらも自分の身体の安定とつながっていることがあります。

整体師がイス軸法を体験すると?

整体院の施術室で、整体師がうつ伏せの相手の背中に両手を当てて施術している様子

整体の仕事では、押す、引く、体重を受ける、相手の身体を保持するなど、自分の身体を使って施術する場面が続きます。手技そのものは何年もかけて身につけていても、それを行っている自分の身体の状態は、その日の疲れや施術の人数で変わります。

イス軸法のあとに同じ手技をしてみると、「手が楽です」「肩や腕が楽になった」「力まなくても力が伝わる」と感じる方がいます。手技を変えたわけではなく、その手技を使っている自分の身体が変わることで、施術している感覚が変わることがあります。

鍼灸師がイス軸法を体験すると?

鍼灸院の施術室で、鍼灸師が前傾姿勢になって背中に鍼を打っている様子

鍼灸の仕事では、前傾姿勢や中腰を保ちながら、触診や取穴、刺鍼、施灸といった細かい操作を続けます。大きな力を使う場面は少ない一方で、同じ姿勢を長く保つことと、手先の繊細な操作が同時に求められます。

イス軸法のあとに同じ施術姿勢をとってみると、「前傾でも腰が楽」「手に余計な力が入らない」と感じる方がいます。手先を支えているのは自分の身体なので、身体が安定すると手の使いやすさまで変わってくることがあります。

あん摩マッサージ指圧師がイス軸法を体験すると?

施術所で、あん摩マッサージ指圧師が母指を使って背中を押している様子

マッサージや指圧の仕事では、母指や手関節、前腕を使う手技を1日に何度も繰り返します。1回ごとの負担は小さくても、人数を重ねるほど自分の身体に積み重なります。訪問マッサージのように、ベッドの高さや立ち位置を自分では選べない場面もあります。

イス軸法のあとに同じ手技をしてみると、「腕や手だけで頑張らなくていい」「施術姿勢が楽」「手が楽です」と感じる方がいます。指や腕の力そのものではなく、それを支えている身体の使い方が変わることで、同じ圧でも負担の感じ方が変わることがあります。

カイロプラクティック・オステオパシー・エステなどでも

施術室で、施術者が施術ベッド越しに手を伸ばして相手の身体に触れている様子

これらの仕事でも、長時間立つ、中腰になる、ベッド越しに手を伸ばす、同じ姿勢を続ける、繊細な手の操作を続けるといった負担は共通しています。手技の種類が違っても、それを行っているのは自分の身体です。

イス軸法のあとに普段の施術姿勢をとってみると、身体の使いやすさに違いを感じる方がいます。施術を受ける側だけでなく、施術する側が楽に身体を使えることは、仕事を続けるうえでも大切だと思っています。

身体の専門職でもイス軸法を学んでいる人がいる

イス軸法は、一般の方だけが行っているものではありません。整体師、理学療法士、鍼灸師など、身体を専門的に扱う仕事をしながら、イス軸法を学んでいる人もいます。

ここで言いたいのは、専門家がやっているから正しい、ということではありません。身体についてすでに学んできた人でも、自分の身体の使い方という視点ではイス軸法に興味を持つことがある、ということです。

実際、私のところにも、整体師や理学療法士などがご自身の身体のために体験に来られることがあります。

体験した先生から患者さんをご紹介いただくこともあります

治療院の一室で、参加者が椅子に腰かけたまま講師と一緒に体を動かしている様子

実際に体験された先生から、「これは自分のお客さんにも一度体験してほしい」「患者さんにも紹介したい」と言っていただくことがあります。

その場合は、患者さんやお客さんをご紹介いただくこともできます。治療院やサロンで何人か集めていただければ、こちらから伺ってグループレッスンを行うこともできます。院内イベントとして開いたり、既存のお客さん向けの体験会にしたり、少人数で行ったりと、やり方は先生のところに合わせて決められます。

参加費は先生側で決めていただいて構いません。私への費用との差額は、そのまま先生の利益にしていただけます。

イベントの運営まではしたくない、という場合は、紹介だけという形でも大丈夫です。紹介料を含めた提携についてもご相談いただけます。

出張でのグループレッスンについてはグループレッスンのページに内容と料金をまとめています。病院や施設、事業所の単位で行う場合は、企業研修・外部講師派遣のページという形もあります。紹介や提携の形を相談したい場合は、お問い合わせページからご連絡ください。

自分でイス軸法を教えるには資格が必要です

ここは大切な点です。イス軸法を体験したからといって、そのまま患者さんやお客さんにイス軸法を指導できるわけではありません。正式に教えるには、所定のインストラクター資格が必要です。

そのため、患者さんに体験してもらいたい場合は、資格を持ったインストラクターが指導する形になります。まずは先生自身が体験してみて、「自分のお客さんにも合いそうだな」と思ったら、その時点でご相談いただければ大丈夫です。

治療院のリピートには少しマイナスになるかもしれません(笑)

これは少し冗談も入っていますが、先にお伝えしておきます。

イス軸法は、自分で短時間にできる身体メソッドです。体験した方からは「身体が楽になった」「動きやすくなった」といった感想をいただくことがあります。自分で身体を整える習慣ができれば、これまでほど頻繁に治療院へ行かなくなる人が出てくるかもしれません。

その意味では、リピート率だけを考えると、紹介することが必ずしもプラスとは限りません(笑)。

ただ、患者さん自身が自分の身体についてできることが増えて、自分で整える方法を持てる。そのほうが長い目で見れば良い。そう考えている先生とは、かなり相性がいいと思っています。

紹介するときは「治療法」として伝えないでください

患者さんやお客さんをご紹介いただく場合に、ひとつお願いがあります。

イス軸法は、腰痛や肩こりなどを治療する方法として紹介するものではありません。ですので、「腰が良くなるよ」「痛みが取れるよ」「○○が治るよ」といった紹介は避けてください。

かわりに、「短時間でできる身体の使い方のメソッドがあるよ」「身体の軸を体験できる面白い方法があるよ」「自分でできる運動メソッドだから、一度体験してみたら?」くらいの伝え方をお願いしています。

ご紹介いただいた方にも、最初にこちらからイス軸法は治療法ではないとお伝えします。

まずは自分の身体で体験してみてください

施術室で、施術者が一人で椅子から立ち上がる動きをして自分の身体の感覚を確かめている様子

身体について専門的に学んでいる方ほど、イス軸法は文章だけで判断するより、実際に身体で比べてもらったほうが早いと思います。人を支えてみる、押されてみる、動いてみる、いつも行っている施術動作をしてみる。その前後で自分の身体の感覚がどう変わるかを、一度試してみてください。

まずは体験会でイス軸法そのものを体験してみてください。ただ、体験会は何人かで一緒に行うので、細かいところまで試すには向きません。普段の施術動作や介助動作で細かく比べたい場合は、体験会のあとの練習会か、パーソナルレッスンになります。

患者さんに紹介するかどうか、自分の仕事にどう活かすか、インストラクター資格に興味を持つかどうか。それは、その後で十分です。

毎日、人の身体を整えている先生自身の身体も、一度整えてみてください。

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