体軸でボディメカニクスが楽にできる|子育てや介護の腰痛予防 | 体軸の学校AXIS

体軸でボディメカニクスが楽にできる|子育てや介護の腰痛予防

介護で使える

ボディメカニクスで重いものや人の体を持ち上げたり移動するときの腰や体の負担が減る、そのボディメカニクスをより効果的に行えるようになります

「膝を曲げて、背筋を伸ばして、腹筋に力を入れて、荷物を身体の近くに…」

これは、ボディメカニクスと呼ばれる効率的な体の使い方の基本です。介護や医療現場、引越し業や倉庫業など重量物を扱う職業はもちろん、子供の抱っこや重い荷物を持ち上げる時など日常生活でも推奨される方法です。

しかし、この「正しい動き方」を頭では理解していても、実際に体がスムーズに動かないことに悩んでいる方は少なくありません。何度練習しても腰に負担がかかり、長年の習慣で無意識に「腰を曲げて持ち上げる」危険な動作をしてしまうのです。

実は、ボディメカニクスを効果的に行うためのコツがあります。それが「体の軸」です。体の軸が整っていると、これらの効率的な動きがやりやすくなります。

ボディメカニクスが楽にできるようになった事例

「正しいやり方を知っていても、体が言うことを聞かなかったのが、嘘のように変わりました」

介護施設で働く40代の佐藤さん(仮名)は、ボディメカニクスや古武術を使った体の使い方の研修を何度か受けていましたが、介護する現場での実践となると苦労していました。

「研修では理解できているつもりでしたが、実際に重い利用者さんを移乗する際には、どうしても腰に力が入ってしまい、翌日には腰痛に悩まされていました。腰を痛めるのが怖くて、移乗介助を同僚に頼むこともあり、プロとして情けない思いをしていました」

そんな佐藤さんが体の軸を整える方法を知り、実践したところ、驚くべき変化が起きました。

「体の軸を整える方法を教えてもらい、毎朝と介助の前に実践するようにしました。すると、これまで難しかったボディメカニクスの動作が、自然とできるようになったのです。腰ではなく脚の力で持ち上げることが楽にでき、背筋も自然と伸びた状態をキープできます。3ヶ月続けていますが、腰痛は一度も発生していません」

佐藤さんのような体験は他の職業の方からも多数報告されています。

物流センターで働く30代の男性は「体の軸を意識することで、重い荷物を持ち上げる際の安定感が格段に増した」と言います。また、子育てをする30代の女性は「体の軸を整えてから、子供を抱き上げるときの腰への負担が明らかに減った」と変化を語ります。

これらの改善は、体の軸を整えることでボディメカニクスの基本原則がより自然に実践できるようになるためと考えられます。

※効果には個人差がありますが、多くの方が実践を続けることで何らかの変化を実感されています。

なぜ体の軸ができるとボディメカニクスが楽にできるのか

なぜ体の軸が整うとボディメカニクスの動きが楽になるのでしょうか?

整体の視点から考えると、主に3つの理由が考えられます:

  1. 基底面と重心の関係の最適化:ボディメカニクスの基本は安定した基底面(足の位置)と適切な重心位置です。体の軸が整うと、無意識のうちに最適な足の位置をとり、重心がその上に乗りやすくなります。これにより、物を持ち上げる際の安定性が格段に向上します。
  2. 身体各部の連動性の向上:体の軸が整うことで、脚・腰・背中・腕といった身体各部の連動がスムーズになります。これにより、「膝の力で持ち上げる」「背筋を伸ばす」といった部分的な指示が、全身の協調した動きとして自然に実現しやすくなります。
  3. 不要な筋緊張の解消:体の軸が整うと、無意識に働いていた代償的な筋肉の緊張が解消されます。特に腰や首、肩の過剰な力みが減ることで、本来使うべき大きな筋肉(脚の筋肉など)を効率的に使えるようになると考えられます。

※こちらはあくまで個人的な推察になります

ボディメカニクスを実践するには「体の準備状態」が整っていることが重要です。体の軸を整えることは、その準備状態を最適化し、理論を実践に移す橋渡しの役割を果たすと言えるでしょう。

体の軸を簡単に作る方法

「体の軸」と聞くと、専門的なトレーニングや長期的な練習が必要と思われるかもしれませんが、実は非常に簡単に作ることができる方法があります。

それが「イス軸法」です。

イス軸法とは、整体の技術を応用して、誰でも簡単に体の軸を作ることができる特殊な方法です。忙しい職業の方でも無理なく行えるよう設計された、たった5秒の簡単な動作です。

基本的なイス軸法のやり方:

  1. 椅子に浅く腰掛けてリラックスする
  2. お辞儀をしながらおしりを浮かせる
  3. ゆっくり起き上がる

これだけです。この単純な動きの中に、体の軸を整えるための重要なポイントが含まれています。重い物を持ち上げる前や、腰に負担がかかる作業の前に行うことで、ボディメカニクスの動きがより自然にできる可能性が高まります。

腰に優しい体の使い方を身につけませんか?

ただし、イス軸法は「やり方」だけでなく、「体験」することが最も重要です。より効果的に活用するためのポイントがあります。

介護や子育てや仕事での腰痛を予防したい」
「重いものを持ち上げる動作を楽にしたい」
「ボディメカニクスを自然に実践できるようになりたい」

そんな方には、インストラクターの指導のもとで正しく行う「イス軸法体験会」がおすすめです。体験会では、安全な方法はもちろん、ご自身の体の変化を確認し、職場や日常生活に取り入れる方法を学ぶことができます。


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まずはご自身の体で実感してください。


※介護職、運送業、倉庫業など重いものを扱う職業の方に特におすすめです。
※抱っこが多い年齢の子育てや介護での腰痛予防にもおススメです。
※「腰痛が改善した」「作業効率が上がった」という声が多数寄せられています。

補足:ボディメカニクスって何?

ボディメカニクスは、簡単に言うと「体に優しい動き方の工夫」です。

例えば、重い荷物を持ち上げるとき、腰を曲げてグッと持ち上げると腰を痛めやすいですよね。でも、膝を曲げてしゃがみ、背筋をまっすぐにして脚の力で持ち上げると、不思議と楽に持ち上げられるし、腰も痛くなりません。このように「どうすれば体に負担をかけずに動けるか」を考えて工夫した動き方のことです。

赤ちゃんを抱っこするお母さん、スーパーで重い米袋を持ち上げるとき、お年寄りの介助をするとき…日常のあらゆる場面で使える「体の使い方のコツ」と考えると分かりやすいでしょう。

看護師さんや介護士さんは特に重要視していますが、実は私たち誰もが日常生活で活用できる、腰痛や怪我を防ぐための知恵なのです。

どんな時に使えるの?

ボディメカニクスは、以下のような様々な場面で活用できます:

  • 日常生活:重い買い物袋の持ち上げ、赤ちゃんや小さな子供を抱き上げる、家具の移動、掃除機をかける
  • 介護場面:ベッドから車椅子への移乗介助、寝たきりの方の体位変換、入浴介助
  • 職業場面:倉庫での荷物の持ち上げ、引越し作業、建設現場での資材運搬、看護師の患者介助
  • スポーツ:ウエイトリフティング、ヨガ、ピラティス、格闘技など体の使い方が重要なスポーツ

ボディメカニクスの8原則と活用例

1. 重心を安定させる(安定した基底面の確保)

  • 原則:足を肩幅程度に開き、安定した姿勢をとる
  • 活用例:重い荷物を持ち上げる前に足を少し開いて立ち、安定した姿勢を作る

2. 身体を近づける

  • 原則:持ち上げる物は体の近くに保持する
  • 活用例:スーパーの買い物袋を体から離して持つのではなく、体に近づけて持つ

3. 腰を低くして重心を下げる

  • 原則:膝を曲げて腰を落とし、安定した姿勢をとる
  • 活用例:床のものを拾うとき、背中を曲げるのではなく膝を曲げてしゃがむ

4. 大きな筋肉群を使う

  • 原則:小さな筋肉より大きな筋肉を使う(腕よりも脚の筋肉を活用)
  • 活用例:重い箱を持ち上げるとき、腕の力だけで持ち上げるのではなく、脚の筋肉を使って立ち上がる

5. てこの原理を活用する

  • 原則:身体や道具をてことして活用する
  • 活用例:ベッドから車椅子への移乗時、患者に前傾姿勢をとってもらい、重心移動を利用する

6. 体重移動を活用する

  • 原則:静止した力より動的な体重移動を活用する
  • 活用例:重い物を引くとき、体を後ろに倒して体重を利用する

7. 体幹を安定させる

  • 原則:背筋を伸ばし、腹筋に軽く力を入れて体幹を安定させる
  • 活用例:子供を抱き上げるとき、猫背にならずに背筋を伸ばした状態を保つ

8. 動作は滑らかに行う

  • 原則:急激な動きを避け、滑らかに動作する
  • 活用例:重い物を急に持ち上げるのではなく、徐々に力を入れてスムーズに持ち上げる

具体的なよくあるシーンでのやり方

床から重い箱を持ち上げる場合

  1. 箱に近づき、足を肩幅に開いて安定した姿勢をとる
  2. 背筋を伸ばした状態で膝を曲げてしゃがむ
  3. 箱を体に近づけ、しっかりと握る
  4. 腹筋に軽く力を入れながら、脚の力で立ち上がる(腰ではなく脚の力を使う)
  5. 動作は滑らかに行い、急な動きを避ける

赤ちゃんや小さな子供を抱き上げる場合

  1. お子さんの近くに立ち、足を肩幅に開く
  2. 背筋を伸ばしたまま膝を曲げて体を低くする
  3. お子さんを体に近づけて抱える
  4. 脚の力で立ち上がる(背中や腰に力を入れない)
  5. 抱き上げた後もお子さんを体の近くに保持する

ベッドから車椅子への移乗介助(介護)

  1. 車椅子をベッドに対して30〜45度の角度で配置し、ブレーキをかける
  2. 足を肩幅に開き、安定した姿勢で相手の前に立つ
  3. 膝を曲げて体を低くし、相手の体に近づく
  4. 相手に前傾姿勢をとってもらい、腰回りをしっかり支える
  5. 「1、2、3」などの合図で、相手の体重移動に合わせて、自分の脚の力で起立を補助する
  6. 体を回転させながら、車椅子にゆっくりと座らせる

重い買い物袋を持ち上げる場合

  1. 袋の近くに立ち、足を肩幅に開く
  2. 背筋を伸ばしたまま膝を曲げる
  3. 袋を両手でしっかりと握り、体に近づける
  4. 腹筋に軽く力を入れながら、脚の力でゆっくりと立ち上がる
  5. 袋を体の近くに保持したまま移動する

これらのボディメカニクスの原則と実践方法は、体の軸が整っていることで格段に実行しやすくなります。体の軸が整うと、自然と正しいボディメカニクスの姿勢や動きが身につき、日常の様々な動作が楽になります。

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